【機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)】新作ガンダムが『僕(スタジオカラー)の考えた最強のファーストガンダム』だった件【ネタバレ有映画レビュー】

新作ガンダムがテレビ放送前に一部話数を劇場用に再構築して公開するというので観てきました。
テレビでやるものをわざわざ先に劇場公開するっていうのがなにか拝金的で気に触りましたが、公開後かなり話題となっていたのでとりあえず観てきた感じ。
1月17日公開後結構日も経ったので、このあと壮大にネタバレしながらレビューしていきたいと思います。

ちなみに私、入場者特典目当てに2回観に行ってきました^^;
まだ観ていない方、ネタバレを避けたい方はブラウザバックをお願いします。

機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)

カラー✕サンライズ共同制作作品

新作ガンダムはエヴァンゲリオンで有名な株式会社カラーとサンライズが共同制作として話題になりました。
キービジュアルを見たらスタジオカラーっぽい(エヴァっぽい)ガンダムが。
メカデザインが山下いくと氏なのでそっちよりになるのは仕方ない。好みは分かれそう。
問題はストーリー。
ファーストから続く宇宙世紀ものなのか?、はたまたガンダムの名前だけ借りたseed系などの別世界の話なのか?
劇場へいくまでは新規オリジナルなガンダムだとばかり思っていました。


↑通常版のパンフレット。特別版も売ってましたが値段は倍以上w

公式から許可を得たファーストガンダムの2次創作?!

劇場で見たガンダムは宇宙世紀ものでした。
が、ただの宇宙世紀ものではなく、なんと世界線が違うファーストガンダム!
あらすじで細かいことは触れていきますが、今回の物語を簡単に言うと、アムロがガンダムに乗らなかった世界のファーストガンダムです。
序盤の主人公はなんとシャアシャアがガンダムとホワイトベースを奪取してなんだかんだでジオンが連邦に勝利してしまうという衝撃的な内容で進んでいきます。
この作品は公式の力を借りて、スタジオカラーが自分達の作りたかったガンダムの2次創作を堂々と作ってしまったわけですな。
細かいことはこのあとのあらすじで解説しますが、ファーストガンダム世代に「お前たちこういうガンダム見たかったろ?」という作りをしています。

というわけでこのあとは感想を交えつつ、あらすじを説明していきます。

あらすじ(ネタバレ)


↑入場者特典第一弾のポストカード。カードパックも貰えた

ストーリーは大きく前半と後半で分かれる

今回の映画、前半と後半に分かれたような作りになっています。
前半はファーストガンダムの世界説明とシャアを中心としたジオンが連邦に勝利するまでのお話。
後半は1年戦争後、ジオンが勝利した世界での新しい主人公達の物語。

この前半と後半では絵柄というか、同じキャラクターでもタッチが違います。
前半のキャラクターは安彦良和氏の描いていたキャラクターデザインほぼそのままなんですが、1年戦争後の後半はイラストレーターの竹氏のデザインになります。
同じキャラなのに全くタッチが変わります。
これは前半を既存の古くからのガンダムファンに向けて、後半は新規というか今作から見始めた若い世代に向けて作っているからだと思われます。
今作の監督である鶴巻和哉氏がインタビューでそれらしいことを言っていました。

前半パート~アムロがガンダムに乗らなかった世界線~

物語はまったく昔のファーストガンダムと同じように始まります。
あのTV版の始まり方と同じ映像、音楽、ナレーション…。
もちろん映像とナレーションは新規。声優さんも全員入れ替えです。
が、物語の流れは全くあのオープニングそのまま。
モビルスーツはリファインされて新しくなっていますが、キャラクターは脇役含め安彦良和氏の絵柄ほぼ当時そのまま。
これは明らかに団塊ジュニアのファーストガンダムリアルタイム世代を狙い撃ちした作り。
一部のこのあざとい演出が嫌いな人以外は、このオープニングだけで心を持っていかれると思います。

さてここからが問題。
機動戦士ガンダム第1話では、連邦軍の新型戦艦とモビルスーツが開発されているという情報を手に入れたジオンが、3機のザクでコロニーサイド7に侵入するわけです。
ここの侵入シーンもザクが作業用クレーンにぶつかり壊す場面が原作のガンダムにもあるのですが、今作もちゃんと再現されています。
こだわりすぎW

ここで原作のガンダムと話が違うのは、ジーンという一般兵の代わりになんと赤い彗星のシャアが作戦に参加します。

ここから違う世界線(IF)の世界に入ります。
原作のガンダムでは、ジーンという兵士が先走り連邦のモビルスーツを攻撃、偶然連邦の新型モビルスーツガンダムに乗ることになったアムロがザクを撃破するという流れでした。
ところが今作はその先走ったジーンが作戦に参加できず、シャアが先陣を切ります。
そしてなんと早々に自分の乗ってきたシャアザクを乗り捨て、ガンダムを奪取。
そのまま連邦のモビルスーツ(確かガンキャノン?)を倒し、さらにホワイトベースも奪取という怒涛の流れ。
アムロは全くでてきません。

その後、ホワイトベースはジオン(シャア)のものとなり、ガンダムはシャア専用として赤く塗られた上、サイコミュシステムを載せビットまで使えるように改良。

↑ネタバレの入場者特典第一弾だったプロモーションカードパック。
私は「赤いガンダム」でした。

さらにTV版では1話分の出演で早々にガンダムにやられたジオンのニュータイプ、シャリア・ブルを仲間にいれるシャア。
シャアの乗るガンダムとシャリア・ブルの乗るブラウ・ブロが1年戦争で大活躍し、ジオンの勝利に大きく貢献します。

アムロがガンダムに乗らなかっただけで歴史が大きく変わる

その後、劣勢となった連邦軍はやけくそになりソロモンという小惑星を月に落とそうとします。
月面基地グラナダにはザビ家のキシリアがいて、兵士に示しがつかないからと脱出もせずに戦いの指示をとり続けます。
シャアの部隊はソロモンを落とさせないよう、内部に爆弾を仕掛け墜落コースを変更させる作戦にでます。
しかしそこはシャア、こっそり爆発させないように細工をしてキシリア抹殺を狙います。
この辺は原作ガンダムのシャアの行動っぽいですね。

ここで謎の連邦のモビルスーツが登場。
ニュータイプっぽい動きから「アムロか?!」と思いましたがどうやらアルテイシア(セイラ)らしき表現が。
ファーストガンダム見てない人にはなんのことやら多分さっぱりわからないと思います。
その出会いをきっかけにガンダムのサイコミュが暴走、謎の事故(ゼクノヴァ)が起き、シャアと赤いガンダムは消えてしまいます。
ソロモンはシャアがいた場所がえぐれて無くなり、墜落コースを外れてグラナダは無事。
一年戦争はジオンの勝利で終わることに。

アムロがガンダムに乗らなかっただけで完全に歴史が変わってしまいました。
原作では1年戦争中に亡くなるザビ家の人間やマ・クベなどのキャラも存命します。

ここまで原作のホワイトベースに乗っていたクルーは出てきません。
ただアルテイシア(セイラマス)らしき人が乗ったモビルスーツは出てきます。

ここまでが序章(Beginning)というべき内容です。

後半パート~終戦から5年後の世界~

舞台は終戦から5年後のスペースコロニーサイド6に移ります。
ここからガラッと絵柄が安彦良和氏の絵柄から竹氏への絵柄へと変わります。
気になる人は気になるかな。

主人公はアマテという女子高生。
ふとしたきっかけでニャアンという運び屋の女性と知り合いになります。
ニャアンが運んでいたのは作業用モビルスーツを戦闘用に使えるようにする非合法デバイス。
届け先は、カネバン有限公司というジャンク屋。
ここに住む4人組はこれまた違法であるクランバトルという賞金バトルに参加している。
アマテは非合法デバイスを偶然拾ってしまったため彼らと関わっていくことになります。

一方ジオンのシャリア・ブル。
戦争終戦後、行方不明になったシャアと赤いガンダムを探し続けていました。
偶然サイド6付近で赤いガンダムを発見。
ジオンの新型モビルスーツであるジークアクスを使って赤いガンダムを鹵獲しようとします。
しかしジークアクスのパイロットであるエグザべは初出撃の新人。
おまけにニュータイプであるはずなのに、ジークアクスの新式サイコミュシステムが起動しません。
赤いガンダムには翻弄され、コロニーの軍警察のモビルスーツにも見つかり、捕まってしまいます。
ジークアクスは偶然居合わせたアマテとカネバン有限公司の4人に持っていかれてしまいます。

ジークアクスと軍警察が揉めているところで、あまりにも横暴な軍警察のモビルスーツに頭にきたアマテはジークアクスに乗り込んで戦ってしまいます。
ここからこの手のアニメあるあるなんですが、今まで動かなかったサイコミュシステムが起動。
今までモビルスーツなんて乗ったことない女子高生なのに軍警察のモビルスーツを撃退します。
戦いの最中、ニュータイプの表現でよくあるキラキラした映像が流れ、能力が覚醒します。

アマテはクランバトルに誘われることに。
その後、戦いの最中見たキラキラした映像と同じグラフティを見つけるアマテ。
そのグラフティを描いたのはシュウジという謎の少年。
この少年が赤いガンダムを操縦していたことがわかります。
なぜガンダムを手に入れたのか?目的は?
この辺は今後テレビ放送で明らかになっていくんだと思います。

アマテはシュウジと組んでクランバトルに参加することになりますが……

というのが大まかな流れ。
長々と書いて来ましたが、当然見ないとわからない部分が多いっすね。

個人的感想

まさかの世界線違いのファーストガンダムに興奮!

ファーストガンダムファンなら前半パートでニヤニヤしてしまうでしょう。
オマージュというか、ゲームソフトのギレンの野望のように『IF世界』を公式の許可を得て堂々と作ってしまったところがすごいですね。
細かい部分、セリフや赤いガンダムの戦い方や動き、カメラワーク等々。
かなりガンダムオタクを意識して作られてるように感じました。
まあ中にはあざとくてこういうの嫌いな人もいるかも知れませんが、興行収入をみると軒並み好意的に受け取る人が多い感じです。

普通の女子高生がいきなり強すぎるのは……

そして後半パート。
水星の魔女に続いての女性主人公。そしてモビルスーツなんて乗ったことなさそうな女子高生。
いくらニュータイプとはいえ、いきなりの実践であんなに乗りこなせてしまうのは正直どうかなーと思ってしまいます。
シャアがいきなりガンダム乗って活躍できるのは経験があるからまだわかるんですけど、なんの訓練も受けていない人がほとんどパニックにもならず華麗に敵の弾を避けるのはウ~ンと思いますね。
特にファーストガンダムはそのへんきちんと描かれていたので。
マニュアル読みながら頑張ったアムロとか、操作方法マニュアル読んでおぼえたつもりで出撃してボコボコにされたセイラさんとか、そういうシーンもっと必要だと思うんですよね。
最近のアニメや漫画は主人公補正でいきなり特殊能力使いこなせちゃってるの多くないですか?
私はああいうのなんか嫌なんですよね。

今後に期待

ストーリーはまだ序章なのでなんとも言えないです。
とはいえ、歴史が変わったことでファーストガンダムで亡くなってない人が連邦側ジオン側多数残っているのでどんな形で主人公に関わってくるのか楽しみですね。

公式サイト
機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)

↑入場者特典第二弾。パンフレットにのらなかったデザインワークス。
なんとフルカラー!
ほしい方はなるべく早く劇場へ。

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